2020年2月 3日 (月)

国外居住親族の扶養控除の適用を受けるには

 経済の国際化のなか、仕事の都合で家族を国外に残して日本で会社勤めをしている外国籍の人が増えているが、この場合、日本での所得に対して国外に住む家族の分の扶養控除等の適用を受けることができるのだろうか。結論としては、その家族が国内に住んでいても国外に住んでいても、また外国籍であっても、扶養親族に該当するのであれば扶養控除等の適用を受けることはできる。

ただし、外国籍の人に限らず日本人でも子供等その家族が国外に1年以上継続して住んでいて、その国外居住親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、国外居住親族に係る一定の書類を会社等の源泉徴収義務者に提出する必要がある。一定の書類とは、日本国内にいる人(居住者)と親族であることを示す親族関係書類と、居住者が実際に送金して扶養していることを示す送金関係書類だ。

 まず、親族関係書類ついては、戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写しか、外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限る)のいずれかの書類となる。これらは国外居住親族の旅券の写しを除き原本の提出又は提示が必要となる。

つまり、戸籍謄本などを用意すればいいのだが、海外では戸籍制度はほとんどなく戸籍謄本も存在しない。したがって、戸籍謄本がない外国籍の人は、主に婚姻証明書や出生証明書を提示して配偶者であることや親子関係であることを証明する。また配偶者の親について扶養控除を受ける場合などは配偶者との婚姻証明書と、配偶者とその親の親子関係を証明する出生証明書等の両方の提示が必要になるなど、証明書を組み合わせる必要がある。

 次に、送金関係書類は、金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類や、クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示して商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金相当額の金銭をその居住者から受領した、又は受領することとなることを明らかにする書類だ。

具体的には外国送金依頼書の控えや居住者が契約し国外居住親族が使用するために発行したクレジットカードで、その利用代金を居住者が支払うこととしているものに係る利用明細書などだ。ただ、送金関係書類は扶養控除等を適用する国外居住親族の各人ごとに必要となるので、国外に居住する配偶者と子供がいた場合に、配偶者に対してまとめて送金している場合は、配偶者のみに対する送金関係書類として取り扱われるため注意が必要だ。

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2019年12月12日 (木)

遺留分制度改正、代物弁済に注意!

 

2018年7月、約40年ぶりの民法改正により相続法が大きく変わった。このうち遺留分制度改正が今年7月1日に施行されているが、施行後5ヵ月が経過した今、改正遺留分制度についての注意点がクローズアップされ、遺留分制度の改正の税金への影響に関心が寄せられている。遺留分とは、相続人が請求できる最低保証額のこと。例えば、遺言により相続財産を全く貰えない場合でも遺留分だけは保証されている。

遺留分は法定相続分の2分の1(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)だ。この遺留分制度については、従来は遺留分について相続財産(物)を直接返還することが原則だった。改正前は、遺留分の対象となる財産が不動産のみの場合、不動産が共有名義となり、相続後の不動産の運営、処分などに支障が出るおそれがあった。不動産が共有状態になると、事業承継にも支障となるケースも多かった。

そこで、改正後は、遺留分侵害額に相当する金額は、原則「金銭」で請求をすることとなった。このため、共有名義を回避できるようになったわけだ。ただし、代物弁済には注意が必要となる。遺留分侵害額に相当する金額を請求された際に、金銭による支払いができない場合、金銭に代えて不動産の持ち分を渡すと、民法上の「代物弁済」にあたる。代物弁済は税務上、不動産の持ち分を譲渡(売却)したものと考える。

 つまり、例えば5000万円の遺留分を金銭ではなく不動産で支払った場合、「不動産を5000万円で売却し、その代金5000万円を請求者に渡した」と考える。そして請求者はその5000万円で改めて不動産を購入したものと考えることになるというわけだ。代物弁済すると、譲渡所得による所得税・住民税が課税される可能性があるため、代物弁済には慎重な対応が必要となる。

なお、今回の改正では、生前贈与について持ち戻す期間を相続開始前の10年間に限定された。改正前は、遺留分の基礎財産に含める贈与の期間制限はなく、時期を問わず遺留分算定の基礎となる財産の価額に含めるとされていた。改正法では、相続人に対する贈与は相続開始前の10年間にされたものに限定し、相続人に対し、相続開始より10年以上前に贈与された財産は、遺留分を算定するための財産の価額に含まれないこととされている。


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2019年11月29日 (金)

軽減税率制度実施後の消費税申告書作成の留意点


 国税庁はこのほど、軽減税率制度実施後の消費税申告書作成の留意点に関する資料をHP上に掲載した。この資料では、制度実施後における消費税申告書の作成に当たって、事業者に留意してほしい事項などをまとめている。軽減税率制度の下での消費税申告書の作成に当たっては、取引を税率の異なるごとに区分して記帳(区分経理)した帳簿等に基づき消費税額を計算することとなるので、区分経理を適切に行うことが重要としている。

売上は交付した請求書等の控えを、仕入れは受領した請求書等を基に区分経理をすることとなる。消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、区分経理に対応した帳簿及び区分記載請求書等の保存が必要となる。帳簿の区分経理は、必ずしも税率ごとに仕訳を区分しなくてもよいものの、消費税申告書作成の際には、税率ごとの集計が必要となることを見据え、日々の記帳から取引を税率ごとに区分しておくことが合理的としている。


区分経理(記帳)に当たっての留意点として、まず、旧税率が適用される取引がある場合、消費税等の軽減税率は、制度実施前と同じ8%だが、消費税率(6.3%→6.24%)と地方消費税率(1.7%→1.76%)の割合が異なる。したがって、区分経理に当たって、2019年10月1日前後の取引がある場合には、適用税率に注意する。請求書やレシートを基に確認したり、取引先に聞いてみるなどして、取引ごとの適用税率を確認の上、区分しておこう。


次に、イートイン/テイクアウトを税込同一価格で販売している場合に留意したいことは、税込同一価格を採用している場合でも、イートイン(店内飲食)とテイクアウト(持ち帰り)とでは適用税率が前者は10%、後者は8%と異なるので、販売事業者は、販売時点で顧客に対して、店内飲食か持ち帰りかの「意思確認」を行うなどして、判定した適用税率に基づき、区分経理及び申告を行う必要があることだ。


年間取引の集計に当たっては、元帳の勘定科目ごと・税率ごとの取引の合計額から、税率ごとに区分した課税売上及び課税仕入れを集計する必要がある。国税庁HPには、個人事業者向けに、消費税申告書の作成に便利な「課税取引金額計算表」を掲載しているので、活用できる(法人の事業者も活用できる)。軽減税率制度に対応した会計ソフトを利用している場合でも、日々の取引を税率ごとに区分して入力しておくことが必要となる。


申告書作成では、課税取引金額計算表などで集計した内容を基にして、課税売上と課税仕入れを適用税率ごとに消費税申告書及び付表に転記して消費税額を計算する。軽減税率制度実施後の申告書等の様式は、複数税率に対応した様式に変更されているが、作成手順自体は、これまでと大きく変わるものではない。付表の作成から申告書作成までの具体的な記載は、国税庁HP「消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド」を参照のこと。


消費税申告書作成の留意点に関する資料は↓
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0019011-044_01.pdf


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2019年11月 5日 (火)

満期保険金は受取り方法により一時所得又は雑所得

 満期保険金等は、受取りの方法により、一時所得又は雑所得として課税される。また、保険料の負担者と保険金の受取人が異なる場合は、贈与税が課税される。

保険料の負担者と保険金受取人とが同一人の場合で、満期保険金等を一時金で受領した場合には、一時所得になる。一時所得の金額は、その満期保険金等以外に他の一時所得がないとすれば、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料又は掛金の額を差し引き、さらに一時所得の特別控除額50万円を差し引いた金額となる。課税の対象になるのは、この金額を更に1/2にした金額だ。

 満期保険金を年金で受領した場合には、公的年金等以外の雑所得になる。雑所得の金額は、その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料又は掛金の額を差し引いた金額である。年金を受け取る際には、原則として所得税が源泉徴収される。年金が支払われる際は、「(年金の額-その年金の額に対応する保険料又は掛金の額)×10.21%」で計算した所得税及び復興特別所得税が源泉徴収される。

一方、保険料の負担者と年金の受取人が異なる場合には、保険料負担者から年金の受取人に対して、年金を受け取る権利が贈与されたものとみなされ、給付事由発生時点で贈与税が課税される。毎年支払を受ける年金(公的年金等以外の年金)に係る所得税については、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算する。実際に贈与税の納税額が生じなかった場合もこの方法で計算する。

 なお、年金を受け取る際には、原則として所得税が源泉徴収されるが、2013年1月1日以後に支払われる生命保険契約等に基づく年金のうち、その年金の支払を受ける人と保険契約者とが異なる契約等で一定のものに基づく年金については、源泉徴収されない。また、満期保険金を年金で受領した場合で、年金の年額からそれに対応する保険料又は掛金の額を控除した残額が25万円未満の場合には、源泉徴収されない。

提供:株式会社タックス・コム

2019年10月25日 (金)

休眠会社等のみなし解散

 

法務省は10月10日、同日時点で最後の登記をしてから12年以上登記がされていない株式会社、5年以上登記がされていない一般社団法人・一般財団法人について、法律の規定に基づき、法務大臣の公告を行い、管轄登記所から通知書の発送を行うなど休眠会社の整理作業に着手した。上記の株式会社、一般社団法人・一般財団法人に該当する場合には、本年12月10日までにまだ事業を廃止していない旨の届出を管轄登記所にする必要がある。

管轄登記所から通知書を受けた場合、法務大臣が公告を行った日(10月10日)から2ヵ月以内である本年12月10日までに管轄登記所に「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする必要がある。同日までに届出がなく、かつ、登記の申請もなかった休眠会社・休眠一般法人については、12月11日付けで解散したものとみなされ、登記官により職権で解散の登記をされる。


ただし、みなし解散となっても、みなし解散の登記後3年以内に限り、(1)株式会社は株主総会の特別決議によって、(2)一般社団法人・一般財団法人は社員総会の特別決議又は評議員会の特別決議によって、株式会社や法人を継続することができる。継続したときは、2週間以内に継続の登記の申請をする必要がある。一方、届出をした場合であっても、必要な登記申請を行わない限り、翌年も休眠会社等の整理対象になる。


会社法の規定により、株式会社の取締役の任期は、原則2年、最長でも10年とされており、取締役の交替や重任の場合にはその旨の登記が必要だから、株式会社については、取締役の任期ごと(少なくとも10年に一度)に、取締役の変更の登記がされるはず。また、一般社団法人・一般財団法人に関する法律の規定により、その理事の任期は2年とされ、同様に少なくとも2年に一度、理事の変更の登記がされるはずだ。


取締役又は理事の変更に限らず、株式会社、一般社団法人・一般財団法人は、その登記事項に変更があった場合には、所定の期間にその変更の登記をすることとされている。長期間登記がされていない場合は、既に事業を廃止し、実体がない状態となっている可能性が高く、このような休眠状態の株式会社、一般社団法人・一般財団法人の登記をそのままにしておくと、商業登記制度に対する国民の信頼が損なわれることになる。


つまり、休眠会社を放置すると、事業を廃止し実態を失った会社がいつまでも登記上公示され登記の信頼を失いかねず、休眠会社を売買するなどして脱税など犯罪の手段とされかねない等の問題があり、法務省では1974年から休眠会社等の整理を始めた。当初は毎年ではなかったが、2014年以後は毎年行われ、2018年度の整理で、解散したものとみなされたのは、株式会社2万4720社、一般社団法人・一般財団法人が1208法人にのぼる。


この件については↓
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00083.html


提供:株式会社タックス・コム

 

2019年6月11日 (火)

民法改正による特別の寄与料の取扱い

  今回の民法(相続法)改正によって、被相続人に対して無償で療養看護等の役務提供をした親族(相続人等を除く)が、相続人に対して寄与に応じた金銭の請求をすることができるものとする「特別の寄与」(民1050条)の制度が新設された。(令和元年7月1日施行)

従来の相続では、たとえば相続人の配偶者が被相続人の看護等に従事貢献したとしても、その配偶者に財産を分与するには、報酬の支払い、遺贈、養子縁組などの手順が必要とされていた。しかし、これらの法的行為を当該配偶者側から被相続人らに要求することは状況的に困難と考えられ、本規定はそうした不公平を是正するために設けられたとされる。

  特別寄与料の支払いが確定した場合、相続人は法定相続分又は指定相続分にしたがって支払いをすることになり、その寄与料は、税制上次のように取り扱われることになる。(平成31年税制改正大綱より)

① 特別寄与者は、特別寄与料の額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして相続税を課する。(※)

② 特別寄与者は、①の事由を知った日から10カ月以内に相続税の申告書を提出しなければならない。

③ 相続人が支払うべき特別寄与料の額は相続税の課税価格から控除する。


④ 相続における更正の請求の特則等に①の事由を加える。


※ 一親等血族及び配偶者以外の者への相続課税であることから、二割加算(相法18条)の対象となるとみられる。


まだ相続税法による詳細な対応は明らかにされていないが、特別寄与者や相続人へのこうした対応は妥当といえるし、課税の逋脱も生じにくいと思われるが、他にも、相続税額が生じないケース等についても検討をしておく必要がある。


例えば、課税財産が少額、あるいは小規模宅地の特例等の適用により基礎控除額以下となる場合などにおいて、故意に特別の寄与料の発生をさせることが出来たとしたら、相続財産を相続人以外に提供することも可能となる。特別の寄与者は「親族」であれば該当できるため、被相続人の孫からの特別寄与料の請求が認められれば、部分的に相続を一代飛ばすこともできる。


特別の寄与に限らず、民法改正によって起こりうる状況はまだ予見しきれていない。税務関係者はあらゆる事態を想定して、課税の対応を準備すべきことになる。


提供:株式会社日本ビジネスプラン

2019年6月 4日 (火)

飛躍的な増加が期待される「法人向け事業承継税制

 

事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「法人向け事業承継税制」は、2018年度の税制改正で抜本的に拡充された。中小企業庁によると、拡充前は、年間400件程度の申請だったが、拡充後は、足元(本年2月現在)の申請件数は年間6000件に迫る勢いであり、爆発的に伸びている。今後10年の間に、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万が後継者未定という。

こうしたなか、事業承継税制による中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継が期待されている。2018年度税制改正では、10年間(2018年1月1日から2027年12月31日)の特例措置として、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充が行われた。基本は、2018年4月1日から2023年3月31日までの5年間以内に承継計画を作成して都道府県に提出した会社(「特例認定承継会社」)が、贈与・相続による事業承継を行う場合に適用される。


事業承継税制の抜本拡充の概要は、(1)対象株式数の上限を撤廃し全株式を適用可能にし、納税猶予割合も100%に拡大することで承継時の税負担ゼロになる。(2)親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象にする。(3)承継後年間平均8割以上の雇用維持要件を未達成の場合でも、猶予を継続可能に。(4)売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し、承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免する。


旧制度では、経営承継期間中、後継者が自社株式を譲渡した場合や、会社を譲渡・合併・解散した場合には、納税猶予税額を全額納付する必要があった。しかし、改正後は、経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合において、承継期間経過後に、会社の非上場株式の譲渡や合併による消滅、会社を解散するときは、その時点での株式評価額で税額を再計算して一定範囲で猶予税額を減免する。後継者の将来リスクの軽減が期待できるわけだ。


上記の「経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合」とは、直前の事業年度終了の日以前3年間のうち2年以上、特例認定承継会社が赤字の場合や売上高がその年の前年の売上高に比べて減少している場合、直前の事業年度終了の日における特例認定承継会社の有利子負債の額が、その日の属する事業年度の売上高の6月分に相当する額以上ある場合、などをいうこととされている。


提供:株式会社タックス・コム

2019年5月20日 (月)

自家消費した棚卸資産の消費税の取扱いには要注意!

 

自家消費とは家事消費ともいい、自分の店で売っている商品を自宅で使用したり、自分の畑で作った農作物を自宅で食べたりすることなどをいう。例えば、魚屋が売れ残った刺身を家族の晩御飯のおかずにしたり、八百屋が売れ残った白菜やナスなどを晩御飯で食べたりするなど、例を挙げればきりがない。要するに、棚卸商品である自分のお店の商品を、自宅で消費したり家族や知人に譲ったりした場合、自家消費として扱われる。

さて、棚卸資産を自家消費した場合、所得税基本通達の取扱いによると、通常の販売価格の70%相当額(仕入価額以上)を記帳の上、同額を事業所得の計算上総収入金額に算入し、所得税の確定申告をしなければならない。そこで注意しなければいけないのは消費税の取扱いである。というのも、多くの人が、消費税においても、所得税と同様に、その70%相当額を課税売上としなければならないと誤解しているからだ。


消費税法基本通達10-1-18《自家消費等の場合の対価》においては、棚卸資産を家事消費した場合、その棚卸資産の仕入価額以上の金額、かつ、通常他に販売する価額の50%相当金額以上の金額を課税売上として消費税の確定申告をすることを認めている。また、資産の譲渡等を行った場合において、課税期間の末日までにその対価の額が確定していないときは、同日の現況によりその金額を適正に見積もるとしている(同10-1-20)。


したがって、棚卸資産を自家消費した場合は、所得税において、通常の販売価額の70%相当額(仕入価額以上)を事業所得の計算上総収入金額に算入し、消費税において、通常の販売価額の50%相当額かつ仕入価額以上の金額を課税売上とし、それぞれ確定申告をすることができるわけだ。所得税は70%相当額だから、消費税も同様と一見考えがちだが、20%多く課税売上としているケースが多いとのこと。要注意だ。


消費税法では、「個人事業者が棚卸資産や事業の用に供している資産を、家事のために消費し、使用した場合」には、“みなし譲渡”として、消費税が課されることになっている。本来は譲渡ではないから、税法上これを譲渡と「みなす」わけだ。なお、「役務の提供」は自家消費とはならない。例えば、美容師が自分の子供の散髪を行った場合などは、自家消費とは異なり、課税対象とはならないので留意したい。


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2019年4月 4日 (木)

「欠損金の繰戻し還付」「繰越控除」のどちらが有利?

 
 前年度に黒字だった法人が今期赤字に陥った場合、前年度に納税した法人税の還付が受けられる「欠損金の繰戻し還付」(現行は中小企業者等のみ適用)という制度がある。一方で、この欠損金は、その後9年間(2018年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金は10年)に限り所得金額から差し引くことができる「欠損金の繰越控除」がある。さて、どちらを選択したほうが有利なのか判断に迷うところだろう。

繰戻し還付が得になる場合としては、まず、資金繰りに困っていて急いで資金が必要なケースが考えられる。繰戻し還付は、法人税がキャッシュで戻ってくるので、金利負担を伴う銀行等の借入よりも、資金繰り面では有効だ。そのほか、法人税を支払った事業年度の法人税率が高く、繰戻し還付を受ける年以降の法人税率が低くなるケースや、将来法人の黒字化が当分見込めないケースなどでは、繰戻し還付を受けたほうがよさそうだ。


法人税率に関しては、現在、中小法人の800万円以下の所得に対する軽減税率は19%から15%に引き下げられているので、800万円以下については、軽減される法人税額は繰り越す場合のほうが少なくなっている。しかし、例えば、3月決算の企業で、昨年3月期の所得が800万円で、今年3月期に800万円の欠損金が生じ、さらに来年3月期に2000万円の所得が生じたケースを考えてみると、繰り戻すほうが一概に有利とはいえない。


繰り戻した場合は「800万円×15%」で120万円が還付される一方、繰り越した場合は、2000万円の所得から800万円が差し引けて、800万円を超えたところの税率は23.2%だから、来年3月期に軽減できる法人税は「800万円×23.2%」で185.6万円になる。上記の例では、今までどおり繰り越したほうが有利となる。もちろん、今の状況が大幅に好転する可能性は不透明で、ほとんどの場合は、繰戻し還付を選んだほうが有利となるだろう。


だが、先のことは誰にも予想はできないので、有利不利を一概に判断するのは難しいともいえる。なんとも判断に迷うところである。なお、還付を受けられるのは法人税だけで、地方税は還付されないことに留意したい。法人住民税は、直接キャッシュとして戻してもらえず、欠損金の繰越控除をして、将来の黒字と相殺してゆく。法人事業税は、キャッシュとして戻してもらうことも、将来の黒字と相殺することもできない。


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2018年12月 3日 (月)

改正民法(相続法)の施行日は、原則来年7月1日に


                                                                                                                           

 

                              
                                 

高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に対応し、残された配偶者の生活に配慮する等の観点から、1980年(昭和55年)以来約40年ぶりに相続に関する規律を見直した改正民法(相続法)の施行日を定めた「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」が21日に閣議決定され、原則的な施行期日は2019年7月1日とされた。一部の規定は施行期日が異なり、段階的に施行される。

 

7月6日に参議院本会議で成立した同法は、改正法の施行期日については「原則として公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日」とされていた。主な制度の施行日をみると、相続された預貯金債権について、遺産分割前にも預貯金の払戻しが受けられる制度の創設や、遺留分制度の見直し、相続の効力等に関する見直し等に関しては、原則的な施行日である2019年7月1日となる。

 

また、遺言制度に関して、全文の自書を要求している現行の自筆証書遺言の方式を緩和し、自筆証書遺言に添付する財産目録についてはパソコンで作成するなど自書でなくてもよいとする見直しは、一足早い2019年1月13日とされている。そのほか、配偶者の居住建物を対象として終身又は一定期間、配偶者にその使用を認める新たな権利「配偶者居住権」や配偶者短期居住権の施行日は2020年4月1日となっている。

 

なお、相続された預貯金債権の遺産分割前の預貯金の払戻し制度において、単独で払戻しが受けられる金融機関ごとの上限額については、パブリックコメントをしていた省令案通り、1500万円とする省令も同日に公布されている。法務省では、施行期日が制度により違うこともあり、それぞれの規定の施行に向け十分な周知活動を行っていくことを予定している。

                                                                    

提供:株式会社タックス・コム

«相続法改正で自筆証書遺言の利便性が格段に向上

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このジローの大学ノートについて

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    新しい税法とか、忘れがちなこととか、何度も確認したいことを記載しています。ビギナーの方にも分かるように説明できることを心がけているつもりです。 自分のノート代わりですので、正確な情報ではない場合もあるかもしれません。説明不足のところがあったり、正確でないところがあったらご指摘くだされば幸いです。

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