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2010年11月17日 (水)

「みなし取得費の特例」計算が今年の12月31日で期限切れ廃止

上場株式等の売却益については、平成15年の税制改正で、現在の「申告分離課税」に1本化された。

しかし、譲渡損益を計算する際には、その株式の取得費の把握が必要になるが、当時まだ大量にあったタンス株などは相続等で取得したものや古い時代に購入したもので大部分を占めており、その取得費を調べることは事実上不可能だった。
そこで、取得費が不明な場合には、平成13年10月1日の終値に80%を掛けた額を「みなし取得費」として申告ができるようにしたのが、「みなし取得費の特例」。

この取得費の特例が適用さる株式は、平成13年9月30日以前(相続で取得した株式も含む)に取得した上場株式で、現在でも、相続した株式や昔に購入した株式をそのまま一般口座に保管されているもの、あるいは、株券電子化の際に必要な手続きをしないで信託銀行の特別口座に名義が移ったものも対象となる。

取得費が不明あるいは実際の取得費よりみなし取得費の方が高い株式を保有している人は、年内に「取得費の特例」を使うことで節税が期待できる。

特例が切れる来年以降、取得費不明な株式を売却した時の取得費は、「売却代金の5%」で計算することになるので、今年と比較して節税効果が大きく異なる。

このような大きな税額の開きが生じる可能性のある株式は、タンス株か一般口座の株式。繰り返すが、特定口座にある上場株式等については、取得価額は明確にされていることから、特例廃止の影響はない。

このため、年内のうちに、不明な取得価額についてもう一度調べてみる必要がある。確認の方法について、国税庁でも次のような方法を呼びかけている。

①証券会社などから送られてくる取引報告書や取引残高報告書、月次報告書、受渡計算書などの書類で確認する。
②証券会社にある顧客勘定元帳で確認する(過去10年以内は顧客の取引情報が記録されている)。
③日記帳や預金通帳などの手控えの記載で確認する。
④①~③で確認できない場合、名義書換日から取得時期を把握し、その時期の相場を基に算定する。株券電子化後、手元に残った株券の裏面で名義書換日を確認しても差し支えない。

上記1~4の方法でも上場株式等の取得価額が分からない場合、平成23年1月1日以後にその上場株式等を譲渡する場合には、「みなし取得費の特例」は利用できなくなるので、本年中に取得価額の把握するか、平成22年中に特別口座に移行するか売却するなどの検討をする必要がある。

参考:日本証券業協会のリーフレットを見ると分かりやすく説明されている。

参照条文 (租法37の11の2)

PS もし今年中に売却が殺到したら、株価は大きく下がり日本経済に多大な影響を与えるのか?

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