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2013年11月15日 (金)

税務調査の現場ではいま「メール調査」が主流に

税務調査シーズン真っ盛りだが、調査の現場ではいま、メール調査が主流となっている。メール調査とは、税務調査に入った企業のパソコンから怪しいメール情報を抜き出して、申告漏れ等の端緒を掴む調査のことである。電子帳簿保存法を根拠とした足場の堅い調査手法で、近年の税務調査では欠かせない存在となっている。調査に当たっては、まず必要な情報を抽出するため、キーワードで怪しいメールを絞り込む。

使われるキーワードは、「売上」、「仕入」、「棚卸」、「現金」、「調整」、「口座」、「決算」、「報告」、「利益」、「税務」など。注文方法や店舗名、得意先名などもキーワードになる。こうして絞り込んだメールについて一つひとつ検討を開始。売上注文メールでは売上除外されたものはないか、受注確認メールでは振込先に簿外預金口座が記載されたものはないか、仕入発注メールでは除外された売上に対応するものはないかなどを見ていく。

会社のメールから把握できる情報は、顧客からの注文、事業者間取引の見積もりや受発注、請求書や納品書の添付、受領や支払いの確認、代表者等から社員等への業務指示、支店・工場等から本社への業務報告など多岐にわたる。メールにはかなりの情報が詰まっていることから、メール調査を足がかりとして大きな不正が見つかるケースは少なくない。業務用メールの管理は慎重に行う必要がありそうだ。

メール調査は根気の要る作業だが、メール調査を端緒として不正が発見されるケースは後を絶たない。例えば、海外法人を利用した架空手数料をメールから把握した事例がある。メール調査に国境はないため、海外支店や海外の取引先とのメールのやり取りも簡単に把握できる。近年、中小企業の海外進出が進む一方で、海外取引を利用した不正も増加傾向にある。メール調査は、経済取引の国際化にも対応できる有力な調査手法といえる。

電子メールから仕入先を利用した架空仕入を把握した事例もある。架空仕入れは帳簿上では読み取れなくても、電子メールのやり取りからその事実を把握できるケースは多い。電子メールを端緒に棚卸除外や架空給与を把握した事例も少なくない。特に棚卸除外は“使いやすい手口”といえる。決算期末の状況をみて動けるし、なにより取引先と通謀する必要がないというお手軽さがウケているのか、常に不正パターンの上位に入っている。

このほか、架空の覚書をプロパティの日付と電子メールにより裏付けた事例なども少なくない。キーワードで絞り込まれたメールをさらに精査することにより、数多くの不正があぶりだされる。この秋の税務調査シーズンでも、メール調査が盛んに行われているという。くれぐれも業務用メールの管理には注意したい。

提供:株式会社タックス・コム

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