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2014年7月23日 (水)

東京地裁 相続人名義の預貯金は相続財産に該当

  相続税の調査で非違が見つかる申告漏れ財産の価額のうち約3~4割は「現金・預貯金等」であり、中でも、被相続人等が管理・運用等していた相続人名義の預貯金が相続財産に該当するか否かが問題になるケースが多いようだ。
                                 

この点、相続税法や通達において、その判定基準や要件は規定されていない。そのため、実務上は、過去の判決で示されたように、預貯金口座の購入原資の出捐 者(しゅつえんしゃ)や口座開設の意思決定・手続を行った者、預貯金口座の管理及び運用の状況(通帳や証書、印鑑の保管場所等)、贈与契約書の有無などを 総合考慮して判定されている。

                                 

この度、相続人名義の預貯金について、被相続人と相続人の間で生前贈与する旨の贈与契約が成立していたか否かを巡り争われた事件で、東京地方裁判所は4月 25日、生前贈与した事実は認められず、相続人名義の預貯金は被相続人の財産に帰属するとして、原告の主張を棄却する旨の判断を行った(平成25年(行 ウ)第104号・係属中)。

                                 

本件は、申告した相続税に係る相続財産のうち原告名義の預貯金については、生前贈与を受けたものであるとして更正の請求を行ったところ、税務当局が更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったことで争われたもの。

                                 

争点は、被相続人と原告との間で、原告名義の預貯金について、生前に贈与する旨の贈与契約が成立していたか否かである。

                                 

東京地裁は、原告名義の預貯金口座は、いずれも、被相続人が自らの財産を原資として開設したこと、被相続人は、原告名義の預貯金口座に係る一部の解約金を 自己の口座に入金し、その資金を土地の購入資金に充て被相続人名義で土地を取得したこと、預貯金に係る証書を自ら保管していたことなどの認定事実に加え、 預貯金を贈与する旨の書面が作成されていないことを指摘。被相続人は、相続対策として、毎年、贈与税の非課税限度額内で、原告ら親族の名義で預貯金の預入 れを行っていたものの、預貯金の証書は自ら保管して原告らに交付せず、被相続人自身に具体的な資金需要が生じた際に、必要に応じてこれを解約し、被相続人 自ら使用することを予定していたというべきであるとした。

                                 

よって、被相続人は、預貯金口座の開設時やその後の預入れ当時、その預入金額を原告らに贈与するという確定的な意思があったとまでは認められないとし、被相続人の相続財産に該当すると判断した。

                               
                               

提供:税務研究会・税研情報センター

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