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2015年8月

2015年8月11日 (火)

個人が法人に資産を贈与した場合の取扱い

 個人が個人へ物や金銭を無償で譲渡した場合には、原則として、資産を譲渡した側には税金はかからず、資産を譲り受けた側は贈与税の課税対象になる。それでは、個人が法人に贈与した場合はどうなるのだろうか。社長が、自分が所有する土地を会社に贈与するケースは珍しくない。社長が会社に土地を贈与するということだから、資産を譲り受けた会社に税金が発生するのは想像できるが、贈与する側の社長には税金がかからないように思える。

しかし、資産を個人が法人へ贈与した場合には、その時の資産の時価に相当する金額で譲渡があったものとみなすという規定が所得税法59条にある。いわゆるみなし譲渡所得課税と呼ばれるものである。例えば、社長の土地の購入時の価額が2000万円で、贈与時の時価が3000万円であれば、3000万円から2000万円を差し引いた値上がり益の1000万円が譲渡所得となり、税金が発生することになる。

一方で、会社の取扱いだが、法人が贈与を受けた場合には、その無償で譲り受けた財産の時価相当額の受贈益を認識する必要あり、その取得した事業年度の益金の額に算入しなければならない。上記の例でいえば、社長所有の土地の時価が3000万円ということだから、法人は3000万円の受贈益を認識しなければならない。その結果、この受贈益に対して税金が生じることになる。

法人税法上、法人が他の者と取引を行う場合には、有償無償を問わず、全ての資産は時価によって取引されたものとみなして課税所得を計算するというのが原則的な取扱いになっている。本来、法人の存在理由は収益を上げることにあるので、基本的には無償の行為はあり得ないということだ。したがって、個人が無償で譲渡した場合は、通常の譲渡だったら収入となっただろう金額=時価をその法人の益金の額に算入(収益)する必要がある。

なお、法人から個人へ無償譲渡した場合には、その資産の時価で贈与したものとみなされ、法人と個人の関係により、(1)無償譲渡の相手方が法人の役員の場合は、役員賞与(法人の損金の額に算入されない)、(2)無償譲渡の相手方が法人の使用人の場合は、賞与として、所得税が課される。また、法人と雇用関係等がない人の場合は一時所得となり、同様に所得税が課されることになる。

提供:株式会社タックス・コム

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