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2016年9月

2016年9月14日 (水)

相続税・贈与税の申告に係るマイナンバー記載の留意点

1 相続税・贈与税の申告に係るマイナンバーの記載

平成28年1月1日以降の相続等により取得した財産に係る相続税の申告書の提出及び平成28年分の贈与税の申告書の提出から、マイナンバー(個人番号)の記載が必要になる。

本稿では、相続税・贈与税の申告に係るマイナンバー記載の留意点について、「国税分野における社会保障・税番号制度導入に伴う各種様式の変更点:平成28年7月 国税庁」及び「相続税・贈与税に関するFAQ:国税庁(以下「FAQ」とする)」を基にして確認を行う。

2 相続税の申告に係るマイナンバー記載の留意点

(1) マイナンバー記載のポイント

平成28年1月1日以降の相続又は遺贈により取得した財産に係る申告書から、被相続人のマイナンバー及び財産を取得した者のマイナンバー又は法人番号を記載して、所轄税務署長に提出することになった(マイナンバーを記載する場合は、先頭の1マスを空欄にして、右詰めで記載する)。

財産を取得した者が個人の場合には、番号法で定める本人確認のため、次のいずれかの書類を添付しなければならない。

・財産を取得した者のマイナンバーカードの写し

・財産を取得した者の通知カードの写し及び運転免許証等の写真付身分証明書の写し

なお、財産を取得した者が人格のない社団又は財産等の場合には、上記書類の添付は不要である。

(2) マイナンバー記載の留意点

相続税の申告に係るマイナンバー記載の留意点は、以下のようになる。

① 被相続人のマイナンバーが確認できない場合

被相続人のマイナンバーカード(個人番号カード)などからマイナンバー(個人番号)を確認することができない場合には、被相続人のマイナンバーを記載せずに相続税の申告書を提出して差し支えない(FAQ1-2)。

② 被相続人の本人確認書類の提示又は写しの添付の必要性

被相続人のマイナンバーは、本人確認の措置の規定(番号法第16条)の適用がないため、被相続人の本人確認書類の提示又は写しの添付は不要である(FAQ1-3)。

③ 相続税の申告書には複数の相続人等が同一の書面にマイナンバーを記載することになるが、例えば、一人目の相続人等が自らのマイナンバーを相続税の申告書に記載して二人目の相続人等に渡す行為は、番号法上の「特定個人情報の提供」に該当するか

相続税の申告書の作成に当たり、複数の相続人等がそれぞれのマイナンバーを記載するために、一の相続人等が相続税の申告書にマイナンバーを記載してその他の相続人等に渡す行為は、番号法上の特定個人情報の提供には該当しない。

また、相続人等の間での本人確認は不要である。

なお、マイナンバーを記載した相続税の申告書を税務署に提出する際は、各相続人等の本人確認書類の写しを添付する必要がある(各相続人等のうち税務署の窓口で相続税の申告書を提出する者は、本人確認書類の写しの添付に代えて、本人確認書類を提示してもよい)(FAQ1-4)。

④ 住民票の写し(マイナンバーが記載されているもの)を番号確認書類として提出できるか

住民票の写しに同一世帯の者に係るマイナンバーが記載されている場合には、相続税の申告をする者以外の者のマイナンバーをマスキングするなどの対応が必要になる(FAQ1-5)。

⑤ 相続税の申告書の控えを保管するに当たっての留意点

マイナンバーは、番号法で規定する場合以外は、他人のマイナンバーを収集又は保管することができないことから、他の相続人等のマイナンバーが記載された状態で相続税の申告書の控えを保管することはできない。

したがって、相続税の申告書の控えを保管する場合は、その控えにはマイナンバーを記載しない(複写により控えを作成する場合は、マイナンバー部分が複写されない措置を講じる)など、マイナンバーの取扱いには留意する必要がある(FAQ1-6)。

⑥ 相続税の申告書に法人番号を記載する必要があるのはどのような場合か

例えば、人格のない社団又は財団が財産を取得した場合で、当該社団又は財団が法人番号の指定・通知を受けているときに、法人番号の記載が必要になる(FAQ1-7)。

3 贈与税の申告に係るマイナンバー記載の留意点

(1) マイナンバー記載のポイント

平成28年分の贈与税の申告書(一般的に平成29年2月1日から3月15日までの間に提出)から、納税者のマイナンバー又は法人番号を記載して、所轄税務署長に提出することになった(マイナンバーを記載する場合は、先頭の1マスを空欄にして、右詰めで記載する)。

納税者が個人の場合には、番号法で定める本人確認のため、次のいずれかの書類を添付しなければならない。

・納税者のマイナンバーカードの写し

・納税者の通知カードの写し及び運転免許証等の写真付身分証明書の写し

なお、納税者が人格のない社団又は財産等の場合には、上記書類の添付は不要である。

(2) マイナンバー記載の留意点

贈与税の申告に係るマイナンバー記載の留意点は、以下のようになる。

① 住民票の写し(マイナンバーが記載されているもの)を番号確認書類として提出できるか

住民票の写しに同一世帯の者のマイナンバーが記載されている場合には、贈与税の申告をする者以外の者のマイナンバーをマスキングするなどの対応が必要になる(FAQ2-2)。

② 贈与税の申告書の控えを保管するに当たっての留意点

マイナンバーが記載された書類を保管することは、マイナンバーの漏えいのリスクを伴うことから、その控えにはマイナンバーを記載しないようにする(FAQ2-3)。

③ 贈与税の申告書に贈与者のマイナンバーを記載する必要があるか

マイナンバーの記載が必要な者は、贈与税の申告をする者(財産の贈与を受けた者)になるため、贈与者のマイナンバーを贈与税の申告書に記載する必要はない。

また、誤って記載した場合には、贈与者のマイナンバーをマスキングするなどした上で、贈与税の申告書を提出する(FAQ2-4)。

④ 相続時精算課税の適用を受けるため贈与者の住民票の写しを添付する場合、贈与者のマイナンバーが記載されていてもよいか

贈与者の住民票の写しの添付に当たっては、マイナンバーが記載されていないものを添付する。

なお、マイナンバーが記載された贈与者の住民票の写しを添付する場合には、マイナンバーをマスキングするなどの対応が必要になる(FAQ2-5)。

⑤ 贈与税の申告書付表には複数の相続人等が同一の書面にマイナンバーを記載することになるが、例えば、一人目の相続人等が自らのマイナンバーを贈与税の申告書付表に記載して二人目の相続人等に渡す行為は、番号法上の「特定個人情報の提供」に該当するか

贈与税の申告書付表の作成に当たり、複数の相続人等がそれぞれのマイナンバーを記載するために、一の相続人等が贈与税の申告書付表にマイナンバーを記載してその他の相続人等に渡す行為は、番号法上の特定個人情報の提供には該当しない。

また、相続人等の間での本人確認は不要である。

なお、マイナンバーを記載した贈与税の申告書付表を税務署に提出する際は、各相続人等の本人確認書類の写しを添付する必要がある(各相続人等のうち税務署の窓口で贈与税の申告書付表を提出する者は、本人確認書類の写しの添付に代えて、本人確認書類を提示してもよい)(FAQ2-6)。

⑥ 贈与税の申告書に法人番号を記載する必要があるのはどのような場合か

例えば、人格のない社団又は財団が財産を取得した場合で、当該社団又は財団が法人番号の指定・通知を受けているときに、法人番号の記載が必要になる(FAQ2-7)。

⑦ 教育資金非課税申告書や結婚・子育て資金非課税申告書などの申告書を金融機関に提出する場合にはマイナンバーの記載が必要か

教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与の特例の適用を受けるため、当該申告書を金融機関に提出する場合は、マイナンバーの記載が必要になる(FAQ2-8)。

⑧ 教育資金非課税申告書や結婚・子育て資金非課税申告書などの申告書を金融機関へ提出する際に本人確認書類の提示は必要か

本人確認は、金融機関において行うことになるため、金融機関へ提出する際に本人確認書類の提示等が必要になる(FAQ2-9)。

2016/09/14著者 :  中島孝一

2016年9月 1日 (木)

選定療養費は個別事情を検討して医療費控除を判断

  選定療養費とは、「初期の治療は地域の医院・診療所などで、高度・専門医療は病院(200床以上)で行なう」という、医療機関の機能分担の推進を目的として厚生労働省により制定された制度。健康保険法の2006年改正により、従前の特定療養費制度が見直されたもの。例えば、他の保険医療機関等からの紹介状を持たないで直接来院された人は、選定療養費として、初診に係る費用を一定額支払わなければならない。

主な選定療養には、特別の病室に入院をした場合(いわゆる差額ベッド代)や歯科の金属材料差額(金属床総義歯、金合金等)、200床以上の病院の初診、一定期間後の再診などがある。紹介状がない場合の大病院の初診や差額ベッド代、時間外診療などは、健康保険法における「選定療養」とされているようだ。そこで、この選定療養費は医療費控除の対象になるのかどうか疑問が生じるところだ。

例えば、頭痛がして大学病院でMRI検査を受けるなど、医師による診察等を受けるために支払う選定療養費は、費用として医療費控除の対象になる。医療費控除の対象となる医療費は、「診療又は治療等の対価のうち通常必要であると認められるもの」とされている。選定療養費とされるものの中にはこれに該当しないものも含まれる可能性があるので、個別の事情を検討して判断する必要がある。

なお、病院で紹介状を作成してもらった費用は、紹介先医療機関での治療に必要な費用であること、厚生労働省が規定する診療情報提供料に該当することなどを理由として医療費控除の対象になると判断されている。ちなみに、診断書などの作成に係る文書料については、医師が診療又は治療した内容等を記載した文書の発行に係る手数料であり、診療又は治療の対価に該当しないことから、医療費控除の対象にはならないので注意が必要だ。

提供:株式会社タックス・コム

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    新しい税法とか、忘れがちなこととか、何度も確認したいことを記載しています。ビギナーの方にも分かるように説明できることを心がけているつもりです。 自分のノート代わりですので、正確な情報ではない場合もあるかもしれません。説明不足のところがあったり、正確でないところがあったらご指摘くだされば幸いです。

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