法人税

2017年5月30日 (火)

所得拡大促進税制、新設法人は上乗せ措置適用できず

 

所得拡大促進税制は、一定の要件を全て満たした場合に給与総額の増加分の10%を法人税額から控除できる制度だが、2017年度の税制改正で、新たに「前事業年度比2%以上の賃上げ」という要件を設定し、この要件を満たした企業に税額控除の上乗せをする。平均給与等支給額が前事業年度比で2%以上増加した場合、大企業は通常の10%に2%を上乗せした12%の税額控除が受けられ、2%未満の場合は同税額控除自体が適用できなくなる。

 

一方で、中小企業者の場合は、これまでどおり平均給与等支給額が前事業年度より上回っていれば10%の税額控除を適用することができ、さらに、前事業年度比で2%以上増加した場合には、12%を上乗せした22%の税額控除を受けることができる。つまり、企業規模で控除率に差を設け、大企業は増加給与額の12%を、中小企業者は増加給与額の22%を、それぞれ法人税額から税額控除できるようになった。

 

所得拡大促進税制の要件は、 (1)給与等支給額の総額が2012年度から一定割合以上増加、かつ(2)給与等支給額の総額が前事業年度以上、(3)一人当たりの平均給与等支給額が前事業年度を上回る、との3要件を満たした場合、給与等支給総額の10%を法人税額から税額控除(法人税額の10%(中小企業は20%)が上限)できる。大企業の場合は、これらの要件のうち(3)の平均給与等支給額が「前年度比2%以上増加」に変更されたわけだ。

 

したがって、大企業の場合は、賃上げをしても全事業年度比2%未満の増加であれば適用対象外となる。問題となるのは新設法人だ。これまでは新設法人であっても一定の調整措置を満たせば同税額控除を適用することができたが、改正後は、大企業では平均給与等支給額が前事業年度比で2%以上増加していなければならないため、調整措置を適用しても当期からの税額控除はできなくなる。

 

また、新設法人である資本金1億円以下の中小事業者の場合、上乗せ措置の適用要件は満たさないものの、一定の調整措置により10%の税額控除のみを適用することになる。ちなみに、調整措置とは、上記の要件に照らせば、(1)では「基準雇用者給与等支給額=雇用者給与等支給額×70%」、(2)では「比較雇用者給与等=0」、(3)では「平均給与等支給額=1/1」、「比較平均給与等支給額=0/1」とみなして、適用要件を満たすもの。

                                                                    

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2016年8月24日 (水)

今年4月以降定率法が廃止された減価償却制度に注意

周知のように、2016年度税制改正では、減価償却制度について、2016年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物並びに鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物に限る)の償却方法について、定率法を廃止する見直しが行われた。したがって、建物附属設備及び構築物の償却方法は、定額法のみとなり、鉱業用減価償却資産の償却方法は、定額法又は生産高比例法によることとなる。

例えば、所有する建物附属設備や構築物に対して大規模な改修工事等を行い、資産計上が必要な支出があった場合(資本的支出)には、原則として、既存の減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、減価償却を行う。したがって、定率法や旧定率法を適用する建物附属設備や構築物に対して、今年4月1日以後に行われる資本的支出については、定額法を適用することになる。

ただし、例外的な取扱いとして、2016年4月1日以後に行われる資本的支出が、旧定率法又は旧定額法が適用される2007年3月31日以前に取得した建物附属設備又は構築物に対するものである場合には、特例として、その建物附属設備又は構築物の取得価額に資本的支出の金額を加算して減価償却を行うことができる。2007年4月1日以後に取得した建物附属設備又は構築物に対する資本的支出は、原則的取扱いとなり、定額法のみ適用される。

なお、2012年4月1日以後に取得した既存の減価償却資産に対して資本的支出を行った場合の特例や2007年4月1日以後に同一の事業年度内に複数の資本的支出を行った場合の特例があるが、いずれも既存の減価償却資産と資本的支出の両方に定率法を採用が要件となる。したがって、定額法しか適用できない今年4月1日以後の建物附属設備及び構築物に対する資本的支出については、これらの特例は適用できない。

整理すると、建物附属設備及び構築物に対する資本的支出は、基本的に定額法のみ適用で、2007年3月31日以前に取得した建物附属設備及び構築物に対する資本的支出の場合には、既存の建物附属設備及び構築物の取得価額に加算して、旧定率法又は旧定額法による減価償却を行うことができるということになる。今後、建物附属設備及び構築物に対する資本的支出を行う場合には、今回の見直しに留意する必要があろう。

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2016年7月27日 (水)

土地付建物の取得では建物取壊し費用の取扱い

  土地等の非減価償却資産の取得価額については、法人税法上の規定はないが、原則として通常の減価償却資産の取得価額と同様の取扱いによって判断される。土地の購入であれば、購入費用と、その土地を事業の用に供するために直接要した費用の合計額が取得価額となる。しかし、問題となるのは、建物付きの土地を購入し、その土地に工場などの新たな建物を立て直す場合である。

例えば、1年前に新工場として使用する目的で、土地付建物を取得しているケースで、工場としてまだ何も稼働はしていないのだが、火災事故を起こしてしまって近々取り壊さなくてはならなくなった場合。こうした場合は、当初購入した建物の取得価額や取壊し費用を損失として落とせるのか、土地の取得価額に含めなければならないのか判断に迷うところだ。つまり、法人税法基本通達7-3-6の規定を適用するかしないかの判断である。

法人税法基本通達7-3-6では、土地とともに取得した建物等をおおむね1年以内に取り壊す場合において、それらの取壊し費用等は、その土地の取得価額に含めなければならない、と規定している。この規定は、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的で建物等も取得したことが明らかである場合に適用される。ただし、火災などの不測の事態が生じ、その結果取り壊すことになった場合はこの適用はないとされている。

つまり、土地付建物を取得して1年以内に建物等を取り壊した場合には、どんな場合でも必ずそれらの費用を土地の取得価額に算入しなければならないわけではない。初めは建物を事業用の目的で取得し、その後やむを得ない理由が生じてその使用を諦めざるを得ないときは、たとえ取得後1年以内にその建物を取り壊したとしても、建物の帳簿価額と取壊し費用の合計は、土地の取得価額に含めずに、取り壊したときの損金とすることができる。

土地の取得価額に含めなければならないとすると、売却するまで経費にできないことになるから、経営状況によっては不都合な場合もある。例えば、会社全体で大きく利益がでそうなときに、取壊し費用等を一時の経費にできるのは税金の面からも影響が大きいことは言うまでもない。こうしたことから、土地付建物を取得した場合での建物取壊し費用の税務上の取扱いには注意が必要といえよう。

なお、法人税法基本通達7-3-6は、「法人が建物等の存する土地(借地権を含む)を建物等とともに取得した場合又は自己の有する土地の上に存する借地人の建物等を取得した場合に、その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た金額を控除した金額)は、当該土地の取得価額に算入する」と規定している。

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2016年5月 1日 (日)

税務調査は「事前通知」が原則も、例外に注意!

所得税の確定申告が終了し、税務調査シーズンがまた真っ盛りとなるが、事前通知が行われるようになったことで、調査の受け手にとってはずいぶん負担が減少したようだ。かつては任意で行われていた事前通知だが、国税通則法改正によって2013年1月以後の税務調査から義務化された。これにより、ある日突然税務調査に入られて大慌てするといったことは少なくなった。

事前通知とは文字通り、税務調査に入る旨を事前に税務署から調査先に通知すること。具体的には、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査の目的、調査の対象とする税目、調査の対象となる期間、調査の対象となる帳簿書類その他の物件などを、調査先の社長や税理士に対して文書又は電話で通知する。事前通知の方法は、原則電話で口頭で行うが、電話による事前通知が困難な場合は、書面で行う場合もある。

しかし、事前通知はあくまで原則であり、「例外」もあるので十分な注意が必要となる。国税通則法74条の10では、事前通知することで、(1)違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ、又は(2)その他、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると判断された場合には、事前通知を行わずに無予告で調査することを認めている。

判断材料となるのは、税務申告内容や過去の調査結果など税務署が保有する情報だ。法人税調査を長年手がけてきた元税務署長は、「例えば、過去の調査で申告漏れが指摘されたことのある会社などは無予告調査の対象になり得る」と話す。合理的な理由なく調査を拒否した場合には「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則もあるため、日頃から“不測の事態”への備えは万全にしておきたい。

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2016年1月 4日 (月)

法人実効税率

2016年度税制改正の柱の一つは法人税改革だ。法人税率と外形標準課税適用法人の法人事業税率が見直され、国・地方を通じた法人実効税率が2016年度に「20%台」に引き下げられる。国税の法人税率は、現行の23.9%が16年度に23.4%、18年度に23.2%に引き下げられ、地方税の法人事業税所得割が16年度に3.6%に引き下げられることにより、法人実効税率は、2016年度・17年度は29.97%、18年度以降は29.74%になる。

 

外形標準課税は、所得割が引き下げられる一方で、資本割は現行の0.3%から0.5%へ、付加価値割は同0.72%から1.2%へとそれぞれ引き上げられ、外形標準課税の課税割合は8分の3から8分の5に拡大する。適用は、法人税率と同様、2016年4月1日以後に開始する事業年度からとなる。また、法人事業税の制限税率は、現行は「標準税率の1.2倍」だが、「標準税率の2倍」に引き上げられる。

 

外形標準課税適用法人の所得割の標準税率が引き下げられたことに伴い、地方法人特別税の税率も現行の93.5%から16年度は414.2%に見直され、17年度から地方法人特別税は廃止され、法人事業税に復元される。地方法人特別税が廃止されることから、法人住民税(法人税割)の税率が引き下げられ、地方法人税の税率が引き上げられるが、この改正は、地域間の税源配分を是正するもので、内国法人の税負担への影響はほとんどない。

 

資本金1億円以下の中小企業は引き続き外形標準課税の対象外となるが、資本金1億円を超える法人でも、付加価値額が40億円未満の法人については激変緩和の経過措置が設けられる。例えば、付加価値額が30億円未満の法人については、利益への課税と外形課税の合計が2015年度より増える場合、16年度は増えた分の75%の支払いを免除し、17年度は50%を、18年度は25%をそれぞれ免除し、19年度からは通常の課税に戻す。

 

なお、法人実効税率引下げの代替財源確保の一環として、資本金1億円超の企業の欠損金の繰越控除限度額が見直される。現行は繰越控除前の65%を上限に過去の赤字と相殺できるが、2016年度は60%、17年度は55%、18年度は50%と段階的に引き下げられる。また、15年度改正では、繰越期間が現行の9年から10年に延長されたが、その適用時期も、18年4月以後に開始する事業年度に生じる欠損金額からと先に伸ばされる。

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2014年9月11日 (木)

所得拡大促進税制

  周知のように、所得拡大促進税制が、2014年度税制改正において、適用期限が2018年3月末まで2年間延長された上、適用要件が緩和されて使い勝手に よい制度になり、企業の注目を集めている。改正では、給与等支給額の全体の平均額(平均給与等支給額)に係る判定要件が一般被保険者である継続雇用者(改 正前:国内雇用者)に限定された。また、新設法人においても、適用要件が見直されており、適用しやすくなっている。
                                 

改正後の適用要件は、(1) 雇用者給与等支給増加額が「基準年度の雇用者給与等支給額×2%(2013~14年度は2%、2015年度は3%、2016~2017年度は5%)」を上 回っている、(2)雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を上回っている、(3)平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回っていること、の3 つ。雇用者給与等支給増加額は、当年度の雇用者給与等支給額から基準年度の雇用者給与等支給額を差し引いたもの。

                                 

新設法人の場合、要件(1)に係る基準年度の雇用者給与等支給額は、「設立事業年度の雇用者給与等支給額の70%」とされ、要件(2)の比較雇用者給与等 支給額は0とされる。また、新設法人には継続雇用者がいないことから、要件(3)の平均給与等支給額は、「継続雇用者の給与等支給額」、「継続雇用者の給 与等支給者数」はそれぞれ1とされ、比較平均給与等支給額では、「継続雇用者の給与等支給額」は0、「継続雇用者の給与等支給者数」は1とされる。

                                 

これらの新設法人の場合の適用要件の変更によって、3要件は、要件(1)が「雇用者給与等支給額×30%≧雇用者給与等支給額×1.4% (70%×2%)」、要件(2)が「雇用者給与等支給額≧0」、要件(3)が「1/1>0/1」となる。この結果、新設法人の場合は、国内雇用者に対する 給与等支給額が1円でもあれば、必ず適用要件を全て満たすことになり、所得拡大促進税制を適用することができることになる。

                                 

なお、継続雇用者に対する給与等とは、適用年度及びその前年度に給与等の支給を受けた国内雇用者に対する給与等のうち、雇用保険法の一般被保険者に対する 給与等をいうが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度に基づき雇用される者に対する給与等は除かれる。また、小規模・零細企業のなかに は、労働者がいるにもかかわらず、雇用保険料を納付していないところもあるが、雇用保険料の納付は適用要件にはなっていない。

                                 

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2014年9月 1日 (月)

調査官が現場で留意すべき「調査の心得7ヵ条」とは

  秋口から税務調査が本格化する。全国の税務署ではいま、その準備に余念がない。司令塔である統括官の指示のもと、机上調査を中心とした綿密なチェックが行 われているところだが、ここでいう「統括官の指示」には、調査の心得も含まれている。ある国税局では、調査官が現場で最低限留意すべき事項として「現況調 査心得7ヵ条」を定め、トラブル防止に努めているという。
                                 

「現況調査心得7ヵ条」とは、いったいどんな内容なのか。第1条は「臨場したら、まず本人の承諾を得る」。現況調査では予告の有無にかかわらず、調査の実 施についてまず相手の承諾を得ることが重要となる。補足として「調査対象者が不在の場合は電話連絡するなどして承諾を得る」としている。第2条は「毅然た る態度で、応対丁寧に」。これは調査対象者に過大な緊張感や不安感、不信感を与えないための配慮だ。

                                 

第3条は「現況は、相手が開けて出すのが基本」。帳票類などの確認は、調査官が最も慎重になる行動のひとつ。調査対象者の立会いを求め、金庫や机の引出 し、カバンなどの中を確認する場合は、相手に出してもらって確認すること。承諾なしに直接手を触れてはならない。第4条は「居室などプライバシーは尊重す る」。特に女性のハンドバッグやロッカーの中を確認する場合には、念押しするなどして明確な承諾を必ず得ること。

                                 

第5条は「絶対に現金には手を触れない」。調査官が最も気を遣うのが現金の扱いだ。第6条は「書類等の借用・返却は確実に」。書類の借用は必要最小限に し、やむを得ず借用する場合には、個別具体的な内容を示した預り証を作成し、相手方に確認してもらう。第7条は「終わったら、整理・整頓忘れずに」。調査 対象者に事後の不快感が残らないようにする配慮。同時に、調査関係書類などの置き忘れをしないための注意事項でもある。

                                 

いずれも税務調査に限らず社会人のマナーとして基本的なことだが、国税当局が、裁判などのトラブル回避にいかに神経質になっているかがうかがえる。

                                 

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2014年5月12日 (月)

国税庁、「接待飲食費に関するFAQ」を公表

  2014年度税制改正において、法人の交際費等の損金算入に関する規定が改正されこの4月1日以後に開始される事業年度から適用されている。これまで交際費等の損金算入が認められなかった資本金1億円以上の大法人も、支出交際費等のうち接待飲食費の額の50%相当額の損金算入が認められる。そこで国税庁は、改正内容等の周知のため、これまで寄せられた主な質問への回答を「接待飲食費に関するFAQ」としてとりまとめ公表した。

同FAQでは、「改正の概要」を始め、「飲食費の範囲」や「飲食費に該当しない費用」、「帳簿書類への記載事項」など計9項目を掲載し、分かりやすく解説している。例えば、「飲食費の範囲」については、飲食費について法令上は、「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く)」と規定されている。このため、次のような費用については、社内飲食費に該当するものを除き、飲食費に該当するとしている。

それは、(1)自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」、(2)飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等、(3)飲食等のために支払う会場費、(4)得意先等の業務の遂行や行事の開催に際して、弁当の差入れを行うための「弁当代」(得意先等において差入れ後相応の時間内に飲食されるようなもの)、(5)飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」。

また、「飲食費に該当しない費用」として、ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用を挙げ、通常、ゴルフや観劇、旅行等の催事を実施することを主たる目的とした行為の一環として飲食等が実施されるものであり、その飲食等は主たる目的である催事と一体不可分なものとしてそれらの催事に吸収される行為と考えられるので、ゴルフや観劇、旅行等に際しての飲食等に要する費用は飲食費に該当しない、と説明している。

ただし、飲食等が催事とは別に単独で行われていると認められる場合、例えば、企画した旅行の行程の全てが終了して解散した後に、一部の取引先の者を誘って飲食等を行った場合などは飲食費に該当するとしている。そのほか、(1)接待等を行う飲食店等へ得意先等を送迎するために支出する送迎費や、(2) 飲食物の詰め合わせを贈答するために要する費用などを、飲食費に該当しない費用として挙げている。

同FAQは↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/settai_faq/01.htm

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2014年5月 1日 (木)

交際費等の明細書様式に「接待飲食費の額」欄を追加

   2014年度税制改正において、企業の交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用の額の50%が損金算入できる制度が新設されたことに伴い、4月14日に公布された法人税法施行規則の一部を改正する省令では、別表十五「交際費等の損金算入に関する明細書」の様式を見直している。新たな明細書には、接待飲食費の50%損金算入に関する項目が追加され、「接待飲食費の額」の記載欄が追加されるなどしている。

企業規模を問わず1人当たり5000円以下の飲食費については交際費等の定義から除外され、損金算入できる規定は継続しているが、新設された制度では飲食費に上限金額はない。中小企業は、年間800万円までの交際費等の額(定額控除限度額)を全額損金算入できる特例と新設された50%特例とのいずれかの特例を選択できる。50%特例は2014年4月1日以後開始する事業年度から適用される。

新別表十五では、50%特例の新設に伴い「支出接待飲食費損金算入基準額」の欄と「接待飲食費の額」の欄が新たに設けられた。2014年4月1日以後終了事業年度分から使用される。2014年4月1日前に開始した事業年度の会社の場合、新別表十五を使用するが、「接待飲食費の額」の欄には記載せず、「支出接待飲食費損金算入基準額」の欄には0と記載することになる。

なお、50%特例の対象となる接待飲食費については、改正省令(3月31日公布)によって、(1)飲食等のあった年月日、(2)飲食等に参加した得意先等の氏名または名称及びその関係、(3)飲食費の額並びに飲食店の名称、所在地、(4)その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項、などを帳簿書類に記載し明らかにしているものに限られる、と規定されている。5000円基準と異なり、参加人数の記載は不要となる。

記載事項については、参加人数の記載が不要であること以外は、5000円基準の書類の記載要件と同様の内容で、5000円基準と同様に、領収書の余白に得意先の氏名等を記載する方法や、会社が独自に使用している飲食費の明細書に記載することも認められる。ただし、飲食費の50%特例は、5000円基準の適用額を除いた額が対象となるため、両者を区別できるように集計しておく必要があるだろう。

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2014年3月 5日 (水)

交際費等の50%損金算入は4月以後開始事業年度から

  2014年度税制改正法案は現在国会で審議中だが、改正項目の中で実務家が注目しているものの一つに交際費等の損金算入の取扱いがある。改正法案によると、2014年4月1日以後に開始される事業年度から、交際費等の額のうち、接待飲食のために支出する費用の額の50%相当額まで損金算入できる規定が新設される。交際費等の損金不算入制度の見直しは、条文の構成を変えている。

現行法では、まず、法人が、1982年4月1日から2014年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額は全額損金不算入とした上で、資本金1億円以下の中小法人は、年間800万円までの交際費等の額を損金算入できる特例措置を設け、次に、法人の規模を問わず政令で定める1人当たり5000円以下の飲食費を交際費等から除外することで損金算入できる規定を設けている。

2014年度税制改正においては、まず、法人が2014年4月1日から2016年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち、接待飲食費の額の50%相当額を超える部分の金額は損金不算入とする規定を新設した上で、中小法人については、中小法人の特例と新設の50%基準との選択ができる構成にしている。また、飲食費の5000円基準は今回の改正で見直しはないため継続する。

このため、5000円基準を適用している場合は、1人当たり5000円以下の飲食費を除き、その残りの飲食費の50%相当額が、飲食費に係る損金不算額となる。また、5000円基準を適用しない場合は、1人当たり5000円以下の飲食費も交際費等に該当する飲食費になるため、1人当たり5000円以下の飲食費を含めた飲食費全額の50%相当額が飲食費に係る損金不算入額になることになる。

50%損金算入の対象となる「接待飲食費」は、5000円基準の飲食費と同様に「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内接待費を除く)」と定義され、「その旨につき財務省令で定めるところにより明らかにされているもの」とされている。なお、800万円定額控除の場合は、「申告書に、定額控除限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する」という要件が定められている。

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