所得税

2017年7月19日 (水)

配偶者控除等見直しに伴い大きく変わる源泉徴収事務

                                                                                        
  2017年度税制改正において、配偶者控除を満額受けられる配偶者の年収上限を現行の103万円から150万円に引き上げるなど、配偶者控除・配偶者特別控除が見直された。この改正は、2018年分以後の所得税から適用されることから、同年分以後の所得税の源泉徴収事務が大きく変わりそうだ。まず、合計所得金額が1千万円超の給与所得者は、配偶者控除の適用ができなくなるため、控除対象配偶者の定義が規定し直されている。
 

具体的には、これまでの控除対象配偶者を「同一生計配偶者」に名称変更し、同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1千万円以下である居住者の配偶者を「控除対象配偶者」と規定。さらに、合計所得金額が900万円以下で、生計を一にする合計所得金額が85万円以下の配偶者を「源泉控除対象配偶者」と定義して、配偶者控除又は配偶者特別控除で38万円の満額控除が適用されるものとした。

 

源泉控除対象配偶者は、(1)配偶者特別控除の見直しにより、38万円の控除が適用される配偶者の所得の上限を、合計所得金額85万円以下に引き上げたこと、(2)給与所得者の所得要件(合計所得金額900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1千万円以下の3段階)が導入され、38万円の控除が適用されるには、合計所得金額900万円以下の要件も満たさなければならなくなったことから新設されたものだ。

 

これに伴い、源泉徴収義務者は、従業員が「源泉控除対象配偶者」として配偶者控除の適用を受ける場合、今秋にも扶養控除等申告書の提出を受けた後、来年1月から月々の源泉徴収を行うことになるが、これまでと異なる点は、配偶者特別控除を受ける場合も、従業員の合計所得金額が900万円以下で配偶者の合計所得金額が85万円以下であれば、月々の源泉徴収を行い、年末調整で確定させる“二段構え”で対応することだ。

 

一方、従業員の合計所得金額が900万円以下でも配偶者の合計所得金額が85万円超123万円以下、あるいは、従業員の合計所得金額が900万円超1000万円以下でその配偶者の合計所得金額が123万円以下のケースでは、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用は、年末調整で“一括処理”することになる。整理すると、従来の控除対象配偶者が、「控除対象配偶者」、「同一生計配偶者」、「源泉控除対象配偶者」の3つになる。

                                                                    

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2016年10月13日 (木)

国税庁、2016年分の年末調整における留意事項に注意


                                                                                                                                                                                       
 早いもので年末調整の時期が近付いてきたが、国税庁はこのほど、「2016年分年末調整のしかた」を公表し、この中で年末調整における主な留意事項として、(1)2016年1月からの通勤手当非課税限度額引上げへの対応、(2)国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用、(3)年末調整関係書類に係るマイナンバー(個人番号)の記載を不要とする見直し、の3点を挙げて注意を呼びかけている。

通勤手当の非課税限度額は、2016年度税制改正で2016年1月1日から改正前の10万円が15万円に引き上げられた。ただ、改正法が4月1日に施行された関係で、改正前に支払われた1~3月分の通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われており、改正後の非課税規定を適用した場合に納め過ぎとなる税額がある場合は、本年の年末調整の際に精算する必要がある。

既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続は不要だ。また、年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになる。中途退職者などに対し、既に給与所得の源泉徴収票を交付している場合には、「支払金額」欄を訂正するとともに、「適用」欄に「再交付」と表示した給与所得の源泉徴収票を作成し、再交付する必要がある。

次に、2015年度税制改正において、国外居住の親族に係る扶養控除や配偶者控除等の適用が厳格化されている。2016年1月1日以後に支払われる給与等の源泉徴収又は年末調整において、非居住者である親族(「国外居住親族」)に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除(「扶養控除等」)又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出又は提示する必要がある。

最後に、2016年度税制改正で、年末調整関係書類のうち、給与所得者の保険料控除申告書、給与所得者の配偶者特別控除申告書、給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書については、2016年4月1日以後に提出するものからマイナンバーの記載が不要とされた。給与の支払者がこれらの申告書を受理した際に、給与の支払者が個人である場合には、これらの申告書に自らのマイナンバーを付記する必要はない。

ただし、給与の支払者が法人である場合には法人番号を付記する必要がある。また、2014年分の所得税の確定申告で(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けた人については、税務署から個人番号欄のある「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が送付されているが、上記のとおりマイナンバーを記載する必要はないので、注意が必要だ。

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2016年9月 1日 (木)

選定療養費は個別事情を検討して医療費控除を判断

  選定療養費とは、「初期の治療は地域の医院・診療所などで、高度・専門医療は病院(200床以上)で行なう」という、医療機関の機能分担の推進を目的として厚生労働省により制定された制度。健康保険法の2006年改正により、従前の特定療養費制度が見直されたもの。例えば、他の保険医療機関等からの紹介状を持たないで直接来院された人は、選定療養費として、初診に係る費用を一定額支払わなければならない。

主な選定療養には、特別の病室に入院をした場合(いわゆる差額ベッド代)や歯科の金属材料差額(金属床総義歯、金合金等)、200床以上の病院の初診、一定期間後の再診などがある。紹介状がない場合の大病院の初診や差額ベッド代、時間外診療などは、健康保険法における「選定療養」とされているようだ。そこで、この選定療養費は医療費控除の対象になるのかどうか疑問が生じるところだ。

例えば、頭痛がして大学病院でMRI検査を受けるなど、医師による診察等を受けるために支払う選定療養費は、費用として医療費控除の対象になる。医療費控除の対象となる医療費は、「診療又は治療等の対価のうち通常必要であると認められるもの」とされている。選定療養費とされるものの中にはこれに該当しないものも含まれる可能性があるので、個別の事情を検討して判断する必要がある。

なお、病院で紹介状を作成してもらった費用は、紹介先医療機関での治療に必要な費用であること、厚生労働省が規定する診療情報提供料に該当することなどを理由として医療費控除の対象になると判断されている。ちなみに、診断書などの作成に係る文書料については、医師が診療又は治療した内容等を記載した文書の発行に係る手数料であり、診療又は治療の対価に該当しないことから、医療費控除の対象にはならないので注意が必要だ。

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2016年7月31日 (日)

役員に対して社宅を貸与した場合の判定基準

 

 役員に対して会社所有の不動産を社宅として貸与する場合には、役員から1ヵ月当たり一定額の家賃(「賃貸料相当額」)を受け取っていれば給与として課税されることはないが、無償での貸与や、賃貸料相当額に満たない金額を受け取っている場合は差額が給与として課税される。この基準となる1ヵ月当たりの家賃は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅に分かれ、計算方法が異なるので留意したい。 小規模な住宅とは、建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、30年を超える場合は床面積が99平方メートル以下である住宅のことをいう。この場合の基準となる1ヵ月あたりの家賃は、(1)その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%、(2)12円×その建物の総床面積(平方メートル)/3.3平方メートル、(3)その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%、の合計額となる。 一方、役員に貸す社宅が、小規模な住宅でない場合には、(1)その年度の建物の固定資産税の課税標準額×12%(建物の耐用年数が30年を超える場合には10%)、(2)その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%、の合計額の12分の1が基準となる賃貸料相当額となる。また、会社が他から借り受けた住宅等を貸与する場合には、上記で計算した金額と会社が家主に支払う家賃の50%の金額とのいずれか多い金額が、基準となる金額となる。 役員に無料で貸す場合には、貸す住宅に応じてそれぞれ決まっている基準額が、給与として課税される。役員から低い家賃を受け取っている場合には、貸す住宅に応じてそれぞれ決まっている基準額と受け取っている家賃との差額が給与として課税される。なお、役員に貸与する社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められない、いわゆる「豪華社宅」である場合には、時価(実勢価格)によることとなるので注意が必要だ。 いわゆる「豪華社宅」であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況など各種の要素を総合勘案して判定される。床面積が240平方メートル以下のものについても、原則として、プールなど一般住宅には設置されていない設備があるものや、役員個人の嗜好を著しく反映した設備などがあるものであれば、豪華社宅と判断され、時価が賃貸料相当額とされる。

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2016年4月22日 (金)

民泊と税金、副業か事業かで異なる取扱いに注意!


                                                                                                                        

 

  最近、外国人観光客が増えて宿泊施設不足が大きな課題となっている。2020年の東京オリンピックを控え、政府は2014年、指定した「国家戦略特法」に基づく旅館業法の規制を緩和する政令を施行し、特区に限り、ホテルや旅館に課される厳しい安全・衛生基準の規制を部分的に緩め、家の一室を貸し出せる「民泊」を可能にした。東京都大田区は今年1月29日、住宅の空き部屋などに旅行客を有料で泊めることを認める民泊条例を施行した。
 

個人が手軽に空き家・空き部屋に利用者を泊めることで収入を得る民泊ビジネスが増えている。そこで、個人の自宅を民泊で貸し出す場合、税金面で注意点がある。民泊を事業として本格的に行う場合と、普通のサラリーマンが副業として行う場合とでは、税法的に取扱いが異なる。事業として行うのであれば当然確定申告が必要となるが、それが事業所得となるか不動産所得となるかは食事を提供するかどうかで判断することになると思われる。

 

所得税法の通達においては、アパート・下宿等の所得の区分として、食事を供さない場合は不動産所得、食事を供する場合は事業所得又は雑所得とされているので、おそらく民泊を事業として行う場合もこれに準じた判断をすべきと考えられる。ただし、普通のサラリーマンが副業を行ったとしても、その所得が20万円以下であれば申告義務はない。だから、民泊による収入が20万円以下であれば、申告する義務はないと考えて良いと思われる。

 

そのほか、まだその取扱いが明確になっているわけではないが、民泊を行う場合、住宅ローン控除の適用について問題が生じるのではと言われている。具体的には、自宅の全体を長期間にわたって民泊に提供すると、住宅ローン控除の適用要件の一つである「各年の年末まで引き続き居住する」という要件に該当しなくなるのではないか、という問題が生じるが、今のところ明確にはされていない。

 

例えば、空き部屋を利用するということであれば、住宅ローン控除の適用そのものがなくなるということはなさそうだが、適用を受けるのは居住の用に供している部分だけなので、民泊として提供する期間や頻度によっては、その部分を除いたところで住宅ローン控除を適用しなければならなくなる可能性はある。住宅のうち、居住用でない部分がある場合は、控除額が減少することがあるので、その点は事前に確認する必要があろう。

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2015年8月11日 (火)

個人が法人に資産を贈与した場合の取扱い

 個人が個人へ物や金銭を無償で譲渡した場合には、原則として、資産を譲渡した側には税金はかからず、資産を譲り受けた側は贈与税の課税対象になる。それでは、個人が法人に贈与した場合はどうなるのだろうか。社長が、自分が所有する土地を会社に贈与するケースは珍しくない。社長が会社に土地を贈与するということだから、資産を譲り受けた会社に税金が発生するのは想像できるが、贈与する側の社長には税金がかからないように思える。

しかし、資産を個人が法人へ贈与した場合には、その時の資産の時価に相当する金額で譲渡があったものとみなすという規定が所得税法59条にある。いわゆるみなし譲渡所得課税と呼ばれるものである。例えば、社長の土地の購入時の価額が2000万円で、贈与時の時価が3000万円であれば、3000万円から2000万円を差し引いた値上がり益の1000万円が譲渡所得となり、税金が発生することになる。

一方で、会社の取扱いだが、法人が贈与を受けた場合には、その無償で譲り受けた財産の時価相当額の受贈益を認識する必要あり、その取得した事業年度の益金の額に算入しなければならない。上記の例でいえば、社長所有の土地の時価が3000万円ということだから、法人は3000万円の受贈益を認識しなければならない。その結果、この受贈益に対して税金が生じることになる。

法人税法上、法人が他の者と取引を行う場合には、有償無償を問わず、全ての資産は時価によって取引されたものとみなして課税所得を計算するというのが原則的な取扱いになっている。本来、法人の存在理由は収益を上げることにあるので、基本的には無償の行為はあり得ないということだ。したがって、個人が無償で譲渡した場合は、通常の譲渡だったら収入となっただろう金額=時価をその法人の益金の額に算入(収益)する必要がある。

なお、法人から個人へ無償譲渡した場合には、その資産の時価で贈与したものとみなされ、法人と個人の関係により、(1)無償譲渡の相手方が法人の役員の場合は、役員賞与(法人の損金の額に算入されない)、(2)無償譲渡の相手方が法人の使用人の場合は、賞与として、所得税が課される。また、法人と雇用関係等がない人の場合は一時所得となり、同様に所得税が課されることになる。

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2015年4月15日 (水)

非上場株式の発行会社への売却は注意が必要!!

中小企業は、親族等が株主となり経営・支配しているものがその大半だ。中小企業の場合、経営権の確保や個人株主の相続税の納税資金確保のために発行会社に自社株式を買い取ってもらう(会社側は自社の株式を買い戻す)ケースも少なくない。それは、上場株式以外の株式(非上場株式)を発行会社に売却するという形になるので、注意しないと多額の税金がかかってしまうこともある。

非場株式であっても、個人間の売買や、発行元ではない会社との売買では「譲渡所得」扱いとなり、その譲渡益に対して一定の税金(所得税及び復興特別所得税、住民税で20.315%)が課される。この場合、給与所得等とは合算せず、それとは別に税額計算を行う分離課税となる。一方、その株式を発行した会社に売却する場合には、譲渡所得ではなく、売却金額の一部が配当とみなされ(みなし配当)、「配当所得」扱いになる。

しかも、この場合の配当所得は分離課税を選択できず、給与所得等と合算する総合課税の対象となり、累進税率が適用されるため、所得の多寡により税率が変わってくる。本年1月1日以後は、最高55%(所得税45%・住民税10%)の高税率になるケースも出てくる。具体的な計算は、その株式の売却金額がその株式に対応する資本金等(資本金+資本準備金)の金額を超えた部分が「みなし配当」となる。

つまり、資本金等を超えた部分については会社の利益の分配という考え方だ。そして、みなし配当となった場合には、その部分に対して所得税及び復興特別所得税20.42%が源泉徴収されるので、確定申告をする際には算出税額から源泉徴収税額を控除して納付することになる。したがって、全部のケースでみなし配当が発生するとは限らない。また、みなし配当には配当控除の適用があるので、一定金額を税金から控除することもできる。

とはいえ、同族会社のオーナーに相続が発生し、相続人がその非上場株式を売却して納税資金を充てる場合、流通性が乏しいことから、発行会社に買い取らせることが多く、その場合、売却した相続人には、多額の「みなし配当」課税が課されて、配当控除を考慮しても高率課税がなされる場合がある。一方、上場株式の場合はみなし配当課税はされず、申告分離課税で完了してしまうので、上場株式と非上場株式との税負担には大きいギャップがある。

なお、2004年4月1日以後の相続等で取得した非上場株式を相続税の申告期限後3年以内に発行会社に売却した場合には、みなし配当課税はないので、留意したい。

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2014年10月27日 (月)

マイカー等による通勤手当の非課税限度額を引上げ

  役員や使用人に通常の給与に加算して支給する通勤手当や通勤定期券などは、一定の限度額まで非課税となっている。マイカーなどで通勤している人の非課税と なる1ヵ月当たりの限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じて、段階的に定められているが、政府は10月17日、通勤手当の非課税限度額 を見直すための所得税法施行令の一部改正する政令(政令338号)を官報に掲載した。
                                                                    

見直しは、最近における通勤手当の支給の状況等を踏まえ、所得税法施行令20条の2(非課税とされる通勤手当)2号にある「通勤のため自転車その他の交通 用具を使用することを常例とする者」及び4号にある「自転車その他の交通用具」を、「自動車その他の交通用具」に改め、支給する通勤手当(1ヵ月あたり) の非課税限度額を引き上げる。2キロメートル未満は全額課税であることは変わりない。

                                                                    

具体的には、片道の通勤距離が、「10キロメートル未満」は4200円(改正前4100円)、「10キロメートル以上15キロメートル未満」は7100円 (同6500円)、「15キロメートル以上25キロメートル未満」は1万2900円(同1万1300円)、「25キロメートル以上35キロメートル未満」 は1万8700円(同1万6100円)、「35キロメートル以上45キロメートル未満」は2万4400円(同2万900円)に、それぞれ引き上げられる。

                                                                    

それとともに、45キロメートル以上は2万4500円とされていたものを、(1)「45キロメートル以上55キロメートル未満」は2万8000円、(2) 「55キロメートル以上」は3万1600円とする距離基準が新たに設けられている。この政令は、2014年10月20日から施行され、改正後の所得税法施 行令20条の2(非課税とされる通勤手当)の規定は、2014年4月1日以後に支給される通勤手当(新通勤手当)について適用される。

                                                                    

なお、1ヵ月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税される。この超える部分の金額は、通勤手当を支給した月の給与の額に上乗せして所得税及び復興特別所得税の源泉徴収を行うことになる。

                                                                    

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2014年4月11日 (金)

消費税の引上げに伴い源泉所得税通達を見直し

<源泉所得税>

国税庁はこのほど、源泉徴収時の金額を消費税込みまたは消費税抜きのどちらで判定するのかを各国税局等に示した「消費税法等の施行に伴う源泉所得税の取扱いについて(法令解釈通達)」を公表した。これは、源泉所得税の課税標準額等について、4月に引き上げられる消費税率及び地方消費税率に対応したもので、(1)給与所得等に対する源泉徴収、(2)非課税限度額の判定、(3)報酬・料金等所得等に対する源泉徴収、を明かにしている。

それによると、給与所得等に対する源泉徴収では、源泉徴収義務の規定が適用される給与等が、物品または用役などの現物給与により支払われる場合において、物品または用役などの価額に消費税等の額が含まれているときは、その消費税等を含めた金額が給与等の金額になるとした。この取扱いは、所得税法第28条に規定する給与等以外の所得((3)に該当するものを除く)につき、所得税の源泉徴収が行われる場合にも適用する。

また、非課税限度額の判定では、所得税基本通達36-22(課税しない経済的利益…創業記念品等)、36-38の2(食事の支給による経済的利益はないものとする場合)に定める非課税限度額の判定に当たっては、これまで、その経済的利益につき、所得税法等に定める所定の評価方法により「評価を行った金額に105分の100を乗じた金額」をもって、その通達に定める非課税限度額を超えるかどうかの判定を行うこととされていた。

それを、今回の通達では「評価を行った金額から、消費税及び地方消費税の額を除いた金額」に変更した。つまり、従業員等に支給した食事代や創業記念品等による経済的利益は、消費税等を除いた金額で非課税限度額を超えるかどうかの判定をすることになる。また、「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に対する所得税の取扱いについて」通達に定める非課税限度額についても、これに準じて取り扱うことになる。

報酬・料金等所得等に対する源泉徴収では、源泉徴収義務の規定が適用される報酬・料金等が、消費税の課税資産の譲渡等の対価の額にも該当するときの源泉徴収の対象とする金額は、原則として、消費税等を含めた金額になる。ただし、報酬・料金等の支払いを受ける者からの請求書等が、報酬・料金等の額と消費税等の額を明確に区分している場合には、その報酬・料金等の額を源泉徴収の対象とする金額として差し支えないとしている。

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2014年3月17日 (月)

26年4月から小規模企業共済等掛金控除の適用対象を拡充

 本年4月1日から、小規模企業共済制度の加入対象者の範囲の拡大に伴い、宿泊業または娯楽業を営む者については、常時使用する従業員が20人(現行5人)以下に引き上げられる。中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業共済制度は、一定の小規模企業経営者等が、個人事業をやめたときなどの生活資金のために積立てをする制度で、掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得から控除される。 小規模企業共済制度には、常時使用する従業員が20人(商業とサービス業では5人)以下の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員等でなければ加入できない。中企庁は、昨年9月20日に施行した「小規模企業活性化法」において、「小規模企業」について範囲の変更を政令で行えるよう措置した。これを受けて、政令改正により、宿泊業及び娯楽業を営む従業員20人以下の事業者を小規模企業とすることが決まった。 具体的には、1月7日に公布され、4月1日に施行される小規模企業共済法施行令では、従来、サービス業とされていた宿泊業・娯楽業を、サービス業とは別に小規模企業者の政令特例業種として規定するとともに、その従業員基準を20人(現行5人)以下に見直した。つまり、このたびの小規模企業の範囲を弾力化する政令改正により、宿泊業や娯楽業を営む従業員6人以上20人以下の事業者は新たに小規模事業者とされたわけだ。 中小企業庁によると、宿泊業・娯楽業については、データ等の分析により、小規模企業者として位置付けられるべき脆弱性を有するものの、業態特性などにより従業員数が多いために、小規模企業者として定義されず、小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経)や特別小口保険制度、小規模企業共済制度などの小規模企業向けの支援策を利用できない状況にあることが分かったため、政令特例業種として規定したとしている。 この結果、4月1日から宿泊業や娯楽業を営む従業員6人以上20人以下の事業者も、小規模企業共済等掛金控除の適用対象となるが、特に税法上の手当はされない。小規模企業共済等掛金控除(所法75)では、所得控除の対象となる掛金を、小規模企業共済法に規定する共済契約に基づく掛金としている。つまり、改正された小規模企業共済制度の契約対象が自動的に税法上の控除対象となるため、税法上の改正は行われない。

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このジローの大学ノートについて

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    新しい税法とか、忘れがちなこととか、何度も確認したいことを記載しています。ビギナーの方にも分かるように説明できることを心がけているつもりです。 自分のノート代わりですので、正確な情報ではない場合もあるかもしれません。説明不足のところがあったり、正確でないところがあったらご指摘くだされば幸いです。

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