貸倒損失

2010年10月27日 (水)

貸倒損失

 貸倒損失を計上するには以下のどれかに該当しなければならない。

1.法律上の貸倒れ(法基通9-6-1)
(1)法律手続に基づくもの
①会社更生法  更正計画の認可決定
②会社法    特別清算に係る協定の認可決定
③民事再生法  再生計画の認可決定
上記は裁判所の監督のもとに行われる法的手続であり、貸倒消却が問題となることは通常ない。
ただし、破産手続は注意が必要。
破産者の財産を換金し、最終配当が行われる事により破産手続は集結するが、債権の切捨てという考え方・手続がもともとないため、裁判所の最終決定があったとしても、法律的には債権は消滅しない。
債権の切捨てなどにより、債権が法的に消滅すれば、消滅した債権に係る貸倒処理が当然に認められるが、破産手続の場合に、債権の消滅をどの時点で認識し、どのタイミングで貸倒処理を行うのかが重要なポイントになる。
最終配当後の破産終結決定に至れば、それ以上の回収可能性は全く見込めないこととなり、この時点で事実上の貸倒(法基通9-6-2)として処理できると考えられる。
(2)関係者の協議決定
私的な整理手続の場合
「合理的な基準」による負債整理であれば、法律上の貸倒として認められる。指摘整理手続において、この要件を満たしていない単なる債権放棄は、寄付金として認定され津おそれが生じる。
(3)債務者の債務超過が相当期間継続し、弁済不能のため、書面で債務免除を通知

*貸倒金額・・・切捨てられることとなった金額、書面による債務免除額。
*損金算入時期・・・その事実の発生した日を含む事業年度。

2.事実上の貸倒れ(法基通9-6-2)
(1)物的担保または人的保証が付されている場合
全額回収不能であることが明らかに該当しないということで、適用はできない。
(2)損金経理の時期
「全額の回収が明らかになった事業年度において貸倒として損金経理することができる。」とされており、その明らかになった事業年度において損金経理をしないで、その翌事業年度以降において損金経理をした場合は、否認対象になりうる。
(3)全額回収不能であることの立証
「事実上の貸倒」は法律的には債権が消滅していなくても、経済的な意味で債権の全額が回収不能であることが明らかな場合の貸倒であるから、厳格なものが要求される。例えば破産、強制執行、整理、死亡、行方不明、債務超過、天災事故、経済事情の急変等の事実が発生したために回収の見込みがない場合があげられる。

*貸倒金額・・・金銭債権の全額。
*損金算入時期・・・回収ができないことが明らかとなった事業年度。

3.形式上の貸倒れ(法基通9-6-3)
(1)債務者との取引停止以後1年以上経過した場合。担保物のない売掛債権に限る。
(2)売掛債権の額が1回に費やす取立費用に満たない場合。

*貸倒金額・・・売掛債権の額から備忘価額を控除した額。
*損金算入時期・・・取引停止後1年以上経過した日以後の事業年度。弁済がないとき以後の事業年度。

消費税との関係

売掛債権(売掛金、受取手形)が回収不能となった場合、その売上債権にかかる売上高が課税取引であったなら、貸倒も課税取引。その売上債権にかかる売上高が不課税取引、非課税取引、免税取引であれば、貸倒も上記に準じる。
また、事業者が売上時に免税事業者であれば、売上高が課税取引であっても消費税が未計上であるため、貸倒時も消費税は考慮されない。

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    新しい税法とか、忘れがちなこととか、何度も確認したいことを記載しています。ビギナーの方にも分かるように説明できることを心がけているつもりです。 自分のノート代わりですので、正確な情報ではない場合もあるかもしれません。説明不足のところがあったり、正確でないところがあったらご指摘くだされば幸いです。

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