会社設立

2010年12月10日 (金)

会社設立時の費用処理

創立費と開業費

創立費とは、法人を法律的に設立するためにかかった支出額のこと。
開業費とは、法人設立後から営業を開始するまでの間にかかった開業準備のために支出した費用のこと。
 なお、繰延資産として計上することについては、会計・会社法・税法上とも任意であり、発生した事業年度に一時償却することも可能。ただし、いったん繰延資産として計上すると償却に対する考え方に違いが生じる。

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創立費と開業費の具体例

 創立費とは、会社の負担に帰すべき設立費用、例えば、定款および諸規則作成のための費用、株式募集その他のための広告費、発起人への報酬、創立事務所の賃借料、設立事務に使用する使用人の給料、金融機関の取扱手数料、証券会社の取扱手数料、創立総会に関する費用その他会社設立事務に関する必要な費用、発起人が受ける報酬で定款に記載された金額ならびに設立登記の登録免許税等をいう。
なお、これらの支払はまだ会社はできていないので、会社が支払うのではなく、起業する人が支払うことになる。

 開業費とは、土地、建物等の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、支払利子、使用人の給料、保険料、電気・ガス・水道料等で、会社成立後営業開始時までに支出した開業準備のための費用をいう。

創立費と開業費の会社法の取扱い

 会社法では、繰延資産について、具体的列挙をしていない。また、償却期間・償却方法も定めていない。そのため、今後は「会計」に準拠(しん酌)する方向になった。
  

創立費と開業費の会計の取扱い

 創立費の会計処理
 創立費は、原則として、支出時に費用(営業外費用)として処理。ただし、創立費を繰延資産に計上することができる。この場合には、会社の成立のときから5年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却(月割償却)をしなければならないとなっている。なお、支出の効果が期待されなくなった場合には、未償却残高を一時的に償却する必要がある。 

 開業費の会計処理
 開業費は、原則として、支出時に費用(営業外費用or販売費及び一般管理費)として処理。ただし、開業費を繰延資産に計上することができる。この場合には、開業のときから5年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却(月割償却)をしなければならないとなっている。なお、「開業のとき」には、その営業の一部を開業したときも含むものとし、なお、支出の効果が期待されなくなった場合には、未償却残高を一時的に償却する必要がある。

創立費と開業費の法人税の取扱い

 税法上は、任意の償却となっているので、開始事業年度において全額損金算入することも可能。また、いつでも自由に任意の額だけを償却してもかまわないので、会社が黒字になるまで繰延資産に計上しておくことも出来る(法令14、法令64)。
 

創立費と開業費の消費税の取扱い

 創業費・開業費とも、その費用を支出した日の課税期間(開始事業年度)で仕入税額控除を行う。
 ただし、登録免許税や印紙税などの租税公課、人件費、支払利子、保険料などは仕入税額控除の対象にならない。
 

開業費の範囲

 開業費の範囲については、①開業までに支出した一切の費用を含むものとする考え方と、②開業準備のために直接支出した費用に限るとする考え方の、2つがある。
 しかし、①開業までに支出した一切の費用を含むものとする考え方によると、開業準備のために直接支出したとは認められない費用が含まれる。その費用については、その効果が将来にわたって発現することが明確ではないものが含まれている可能性がある。このため、会計において、開業費は、②開業準備のために直接支出したものに限ることが適当であると考える。
 また、法人税法上においても、開業費とは、「法人の設立後営業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう」とされている(法令14①二)。開業準備のため特別に支出した広告宣伝費、旅費、市場調査費、接待費などがこれに該当する。営業活動に経常的にかかる費用である土地建物の賃借料、事務用消耗品費、支払利子、使用人給与、電気・ガス・水道料などは含むことが出来ない。
 ようするに、会計上も税務上も、開業費の範囲は限定されているということになる。

参照条文 (会計計算規則106)(法法32、法令14①②、消法30)

2010年12月 9日 (木)

会社設立後の社会保険関係の提出書類

労働基準監督署

◇適用事業報告
どのような事業であっても労働者を1人でも使用する事業は、その事業主や労働者の意思にかかわらず、当然に労働者災害補償保険の適用事業となる。

◇保険関係成立届
提出時期 : 従業員を雇った日の翌日から起算して10日以内

◇労働保険概算保険料申告書
提出時期 : 従業員を雇った日の翌日から起算して50日以内(原則は保険関係成立届と同時)

◇就業規則届
従業員を10人以上雇用した場合に必要です。

提出時期 : 従業員を雇った日の翌日から起算して10日以内

公共職業安定所

雇用保険
雇用保険の提出書類は、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に提出。どのような事業であっても労働者を1人でも雇用する事業は、その事業主や労働者の意思にかかわらず、当然に雇用保険の適用事業となる。

◇雇用保険適用事業所設置届
◇雇用保険被保険者資格取得届
◇適用事業所票
これらの書類は通常は一緒に提出する。

提出時期 : 適用事業所となった日の翌日から起算して10日以内
添付書類 : 

会社の登記簿謄本
労働保険関係成立届の事業主控え
労働保険概算保険料申告書の事業主控え
被保険者証(雇用従業員が以前に雇用保険の被保険者であったとき)
労働者(従業員)名簿
賃金台帳
出勤簿またはタイムカード  

社会保険事務所

法人の事業所は、事業の種類を問わず、1人でも従業員がいれば健康保険・厚生年金保険の適用事業となる。健康保険・厚生年金保険の場合は、労働保険とは異なり社長等の役員も「法人に使用される者」として、強制的に加入することになる。

健康保険・厚生年金保険
健康保険・厚生年金保険の手続き書類は、原則として事業所の所在地を管轄する社会保険事務所に提出。

◇健康保険・厚生年金保険新規適用届
◇被保険者資格取得届
◇被扶養者(異動)届
◇資産調書
土地・建物について賃貸している場合は賃貸契約書を添付します。

◇誓約書
◇保険料口座振替納付申出書
※ これらの書類は通常は一緒に提出します。

提出時期 : 適用事業所に該当するに至った日から5日以内
添付書類 : 

法人登記簿謄本
年金手帳(加入予定者全員)
年金証書(60歳以上で年金を受けている者)
出勤簿
労働者名簿
賃金台帳
就業規則  などその他必要に応じた書類

参照 (厚生労働省HP)

2010年12月 8日 (水)

会社設立後の都道府県税事務所・市町村役場への提出書類

会社は、法人税の他に法人住民税や事業税などの地方税を納付しなければない。そのため、会社を設立したら市町村役場・都道府県税事務所にも法人設立の届け出をしなければならない。

都税事務所

法人設立・設置届出書

東京23区の場合の手続。東京23区の場合はこの届け出のみ。

提出時期:事業開始の日から15日以内
添付書類:
①定款の写し
②設立の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の写し

道府県財務事務所

法人設立届出書

提出時期:法人設立の日から1ヶ月以内
添付書類 :
①定款の写し
②設立の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の写し

市町村役場

法人設立届出書

提出時期:法人設立の日から1ヶ月以内
添付書類 :
①定款の写し
②設立の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の写し

参照 (東京都HP)(静岡県HP)(静岡市HP)

2010年12月 3日 (金)

会社設立後の税務署への提出書類

法人税

(1)法人設立届出書

提出時期 : 法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内
添付書類 
①定款の写し
②設立の登記の事項証明書
③株主等の名簿 の写し
④設立趣意書
⑤設立時の貸借対照表
⑥合併等により設立されたときは被合併法人等の名称及び納税地を記載した書類

(2)青色申告の承認申請書

法人税の確定申告書、中間申告書等を青色申告書によって提出することの承認を受けようとする場合の手続。青色申告の場合には、各種の特典が受けられる。

提出時期 : 設立の日以後3ヶ月を経過した日設立事業年度終了の日のいずれか早い日の前日

青色申告の主な特典

租税特別措置法に規定されている各種の準備金の損金算入
青色欠損金の7年間繰越控除
各種の特別償却
各種の法人税等の特別控除
帳簿書類の調査に基づく更正    など

(3)棚卸資産の評価方法の届出書

棚卸資産を所有しない業種等では届出は不要。届出がない場合は、最終仕入原価法が法定評価方法となる。

提出時期:設立事業年度の申告期限まで

(4)減価償却資産の償却方法の届出書

届出がない場合には原則として定率法が法定償却方法となる。

提出時期:設立事業年度の申告期限まで

(5)有価証券の一単位当たりの帳簿価格の算出方法の届出書

一単位当たりの帳簿価額の算出方法を選定して届け出る場合の手続。 届出がない場合には、移動平均法が法定算出法となる。

提出時期:設立事業年度の申告期限まで

(6)給与支払事務所等の開設届出書

給与の支払者が、給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転又は廃止した場合に、その旨を所轄税務署長に対して届け出る手続。

提出時期:給与等を支払う事務所等を開設した日から1ヶ月以内

(7)源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっているが、この申請は、給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者が、給与や退職手当、税理士等の報酬・料金について源泉徴収をした所得税について、次のように年2回にまとめて納付できるという特例制度を受けるために行う手続。

1月から6月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税  ---------- 7月10日
7月から12月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税額 ----- 翌年1月10日

提出時期:適用を受けようとする月の前月末まで

(8)納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出

源泉所得税の納期の特例の承認を受けている源泉徴収義務者が、7月から12月までの間に徴収した源泉所得税の納期限を翌年1月20日(通常は1月10日)とする特例制度を受けるために行う手続。

なお、通常この手続きは上記「源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書」に記載することにより省略する。

消費税

消費税は基準期間(2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円以下であれば納税の義務はない。
会社を新たに設立した場合は当然基準期間はないので、設立後2年間は課税売上高にかかわらず免税事業者となり納税の義務は免除さる。 ただし、資本金が1,000万円以上の場合は会社設立初年度から課税事業者となり納税の義務は免除されない。

(1)消費税課税事業者選択届出書

免税事業者が課税事業者になることを選択する場合の手続。設備投資等で多額の初期投資をした場合等に、課税事業者となる方が有利になることがある。
ただし、事業を廃止した場合を除き、課税事業者を選択して納税義務者となった日から2年間継続した後でなければ、課税事業者をやめることはできない(法9⑥)。
さらに、この届出書を提出し課税事業者となった日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受けている課税期間を除く)中に調整対象固定資産の課税仕入れ等を行った場合には、その課税仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間までは課税事業者をやめることはできない(法9⑦)。この場合、この間は一般課税による申告を行うこととなる(法37②)

提出時期:適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(会社設立したときはその事業年度内)

(2)消費税簡易課税制度の選択届

基準期間の課税売上高が5,000万円を超えると簡易課税制度を選択することはできない。
なお、簡易課税制度を選択した場合は、事業を廃止した場合等を除き、2年間継続した後でなければ簡易課税制度の選択をやめることはできません(法37⑤)。

提出時期:適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(会社設立したときはその事業年度内)

参照 (国税庁HP)

2010年12月 1日 (水)

株式会社設立の手続

株式会社設立のためのスケジュール

1. 事前準備(会社の概要を決める)
       ↓
2. 法務局で商号調査と事業目的の確認をする
       ↓
3. 会社の代表印を注文する
       ↓
4. 定款を作成する
       ↓
5. 定款認証を受ける
       ↓
6. 金融機関へ資本金の払込みをする
       ↓
7. 会社設立に必要な書類を作成する
       ↓
8. 法務局へ登記申請をする
       ↓
9. 会社設立完了
       ↓
10. 税金関係と社会保険関係の届出を出す

株式会社設立のポイント

1. 事前準備(会社の概要を決める)
設立する株式会社の概要が決まったら最初に作る書類は、「発起人会議事録」(発起人が1名の場合には「発起人決定書」)。

発起人会議事録で決めておくべきこと
・商号
・事業目的
・発行可能株式数
・設立に際して発行する株式の総数と1株の金額
・発起人が引き受ける株式の数
・資本金を払込む金融機関  など
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2. 法務局で商号調査と事業目的の確認をする

商号の調査や事業目的の確認は、本店所在地を管轄する法務局で行う。
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3. 定款を作成する

定款は会社の名前や資本金、事業の目的、運営、組織についてのきまりを定めた「会社の憲法」のようなもの。
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4. 公証役場で定款認証を受ける

公証人に定款を確認してもらうことを定款認証と言い、公証人に認証しもらって初めて定款は法的に有効なものとなる。公証人に認証された定款は、会社設立の登記申請の際に法務局へ提出する。
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5. 会社の代表印を注文する

会社の代表印とは会社の「実印」。個人の実印をご住所地に届け出たように、会社も代表印(実印)を法務局へ届け出る。
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6. 金融機関へ資本金の払込みをする

資本金の払込み手続きは、
  ① 資本金を出資者の名義の銀行口座へ振り込む
  ② 会社の代表者が資本金の払込みを証明する書面を作成する
資本金1円からでも株式会社を設立することができる。
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7. 会社設立に必要な書類を作成する

登記申請に必要な添付書類は、会社の概要や定款の記載事項によって若干違う。
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8. 法務局へ登記申請をする

会社の内容を公に証明する行為。会社の資本金や役員、本店所在地などが登記され、登記簿謄本に記載さる。登記簿謄本は、だれでも取得し見ることが出来る。
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9. 会社設立完了(法務局へ登記申請して1~2週間程度で会社の登記簿謄本が取得できる)

会社の設立日(創立記念日)は、基本的には法務局へ登記申請をした日になる。
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10. 税金関係と社会保険関係の届出を出す

税務署への届出: 会社設立から2ヶ月以内に法人設立届のほか税務に関する各種の届出が必要。 

都道府県・市町村への届出:会社設立から2ヶ月以内に法人設立届の届出が必要。提出先は、都道府県税事務所と市町村。

社会保険事務所への届出: 会社は、健康保険と厚生年金保険に加入しなければならない。

労働基準監督署・公共職業安定所への届出 :従業員(パート・アルバイトを含む)を採用したら、労働保険(労災保険・雇用保険)へ加入する。(労災保険の対象となる従業員を雇った日の翌日から10日以内に届出)

参照条文(会社法25,26,27,30,34,49)

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このジローの大学ノートについて

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    新しい税法とか、忘れがちなこととか、何度も確認したいことを記載しています。ビギナーの方にも分かるように説明できることを心がけているつもりです。 自分のノート代わりですので、正確な情報ではない場合もあるかもしれません。説明不足のところがあったり、正確でないところがあったらご指摘くだされば幸いです。

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